「書」 創作の楽しみ

インテリア用書作品とデザイン用毛筆文字

入門と独学 ~書道の学習法~

こんにちは、松本千嶂です。

今日は、入門と独学について少し記します。

入門というのは、先生の下でその指導を受けながら学習する事ですが、当然のことながらその先生を探さなければなりません。「正師を得ざれば学ばざるに如かず」道元禅師)という言葉があります。「正しい師匠(先生)のもとでなければ学んでいないも同然」ということだそうです。また、「三年勤め学ばんより三年師を選ぶべし」ということもいわれます。教えをいただく先生探しは、それほど重要なことだということになります。上の二つの言葉は、書道の学習についての言葉ではありませんが、通じるものがあるのではないでしょうか。

私の場合は、正師に出会うことができました。しかし、それは「三年師を選ぶべし」によって入門したのではなく、たまたま入学した書道教室の先生が正師であったのです。当時は、「正師を得ざれば・・・」という言葉も「三年勤め学ばんより・・・」という言葉も知りませんでしたから、今思えば幸運であったという他ありません。

 

次に、独学についてですが、この場合は正しい手本を選ぶことが大切であるということになります。手本とすべき書物は幾多ありますが、2020-08-24の記事で例示しました碑や法帖が基になっているものが良いと思います。一言でいえば「書に品格のあるもの」を選ばなければいけません。

独学でもう一つ大事なことは、練習時間をつくることです。入門の場合はだいたい一週間に一回の指導ですが、独学の場合でもこれは最低限になります。間断なく筆を持って腕に慣れさせることが必要ですから、ある日は朝から晩まで練習し、その後は半月も一カ月も筆を持たないという練習方法はやってはいけません。難しいですが毎日1~2時間の練習が理想です。

 以上の通り、入門の場合は「正しい師」の下で学び、独学の場合は「正しい手本」を選んで学ぶ、そして「同じことを間断なく繰り返す」ことが肝要かと思います。